マッシュアップ

ハコニワという企画が面白そうだったので、その形態で超短編をやってみました。
ハコニワと超短編マッシュアップです。


幕間。
それは、赤き娘の、旅の途上。



一日ごとに早くなっていく夕暮れが、旅の空に過ごした時間を教えてくれる。
思えばずいぶん遠くまで来たものだ。


かつて想像していたような胸が躍るような事もたくさんあったし、反対に身の危険を感じた事も1度や2度じゃない。
そりゃ、あたしが首を突っ込んだからこそ起こった事ではあったんだけど。こうやって青空の下で歩いているのだって、奇跡なのかもしれない。
いや、奇跡じゃない。奇跡が起こる事に期待していたら、今のあたしはいないだろう。
今ここにいるのは、過去のひとつひとつを選んだ結果。


ちょっと感傷に浸っちゃったかな。まだ、過去は振り返らないつもりだったのに。
過去を振り返るのは、全てにカタをつけてからにしようと思ってたのに。
移動の時間は、何か考える事がないと退屈でしょうがない。

それにしても。


・・・血は、争えないものね。




少女が足を止める―瞬間、少女の髪が、スカートが舞う。風はない。